本稿では中学生、高校生の皆さんがテスト勉強に使える「頭の回転を速くする方法」を解説しています。
「頭の回転を速くするなんて本当にできるの?」と思われるかもしれません。しかし思考スピードを引き上げることは意外なほど簡単な方法で行えます。
こちらで紹介している方法は、fMRIでの計測で著しい脳の活性が確認されている方法でもあります。脳科学が認めた最新のトレーニング方法で頭の回転スピードを上げましょう。
強化された脳機能は勉強の助けになります。
テスト勉強に役立つ「頭の回転」
「あの人は頭の回転が速い」という表現は日常生活でも何となく使われています。しかし頭の回転とは具体的にどのようなものなのかが語られることは少ないでしょう。
そこでまずは、頭の回転が速いとはどのような状態なのか確認しておきましょう。
頭の回転が速くなるとはどういうことか?
頭の回転が速いとは「文字や数式、イメージなどの情報をより早く理解したり、それらを使って考えたりできること」だと私は考えます。
頭の回転について、インプットとアウトプットに分けて整理してみましょう。
・「インプット」→情報をより速く読み取って理解する能力
・「アウトプット」→ハイスピードで脳内の情報を組み合わせて考え、表現する力
より速く正確に、理解し表現する力。このような脳の力が身に付いていれば、テスト勉強が進みやすくなることも納得できるかと思います。
次に、頭の回転が速い人の具体的なイメージを上げて見ます。
・文章を読むスピードが速い
・計算のスピードが速い
・考えるスピードが速い
どれも魅力的な能力ですね。一見すると一部の人にしかできないという感想を抱くかもしれませんが、それは間違いです。
皆さんの脳には1000億もの脳細胞があり、その間を結ぶネットワークは無限ともいえる可能性を秘めています。正しい方法でトレーニングを積むことで、頭の回転を速くすることは誰にでもできるのです。
正しい方法を実践すれば勉強ができるようになる
「私は勉強の要領がよくないから、時間をかけて勉強しないと…」このように感る方がいるかもしれません。勉強ができるようになるためには以下の2つのポイントが挙げられます。
①効率的な勉強法を実践する
②脳機能を高める
理想はこれら2つの両方を行うことです。まず、①効率的な勉強法を実践することについて考えてみましょう。
①効率的な勉強法を実践する
理解力などの能力に変わりがなくても、効率的に勉強することで成果は大きく変わります。
勉強法で効果が大きく変わる教科として「英語」が挙げられます。英語はもともと日本語と同じ言葉ですから、人がコミュニケーションに自然に使っているものです。
日本語を話すときに文法規則を覚える必要がないことからも分かる通り、英語を身に付けるために大切なのは文法ではありません。単語・文法を勉強しても、英語がなかなか身に付かないのは方法が間違っているからです。
英語の効果的な勉強法の1つに「音読」があります。英文の音読を繰り返し行えば脳内では英語の語順のまま英語が理解されるようになります。長文もリスニングもスムーズに理解できるようになるでしょう。
英語の例から、音読のような効率的な勉強法を行うことで、同じ人でも効果が変わることが分かります。
②脳機能を高める
変えられるのは勉強法だけではありません。脳の機能(記憶力、理解力、創造性etc..)を高めることによっても勉強の効果は変わります。
分かりやすく言えば「頭がよくなる」トレーニングを積むことで勉強もスムーズに進むということです。
読解力や思考力を上げることができれば「教科書を読む」という一つの勉強法についても効果が変わってきます。文字情報を速く正確に読める人ならば、教科書の内容をすぐに理解することができるでしょう。
一方で、文章を読むことに慣れていない人の場合は勉強に取り組んでも成績が上がりにくい傾向があります。
本人の頭が良くなることで、自然に勉強ができるようになる。これは誰もが憧れる状態ではないでしょうか。
脳は繰り返し刺激が与えられることで際限なくどこまでも学びを進めていく可能性を秘めています。
一言で「頭の良さ」と言っても様々な面があります。
一般的なイメージとしては、学校のテストの点数が高い人のことを「頭がいい」と感じるかもしれませんが、テストの点数は1つの数値に過ぎません。
試験の問題の多くは「正解」が一つに決まるものです。それは言い換えれば、問題を作った人の意図通りに答えた人のスコアが高くなるということ。
点数が高いのはもちろんOKなのですが、頭の良さとはあまり関係のないものだと見るべきでしょう。
本稿では分かりやすく「頭の回転」というテーマに絞っていますが、知性はスピードだけではありません。頭の良さといっても多面的なものだということは覚えておいてください。
頭の回転が速くなればテスト勉強が進む!
頭の回転が速くなるとどうなるでしょうか?
先ほど書いた通り文章を読むスピードが上がりますし、物事をより早く理解することができます。そうするとテスト勉強のペースも自然と上げることができるでしょう。
文章が速く理解できるというのは大きなメリットがあります。なぜなら人が勉強をする時の手段は「文字」が圧倒的に重要だからです。
数学や理科など、理系と言われる教科も教科書で書かれていることのほとんどは文字です。文字で書かれたテキストを正確に、速く理解することが学力の基礎にあります。
テキストの読解力が大事なのは学校の勉強に限ったことではありません。人が何かを学ぶときには、文字で書かれたものを読むのが基本だからです。
現在ではYouTubeなどに音声や動画で学べるコンテンツは多くありますが、それでも文字の重要性は変わりません。
読解スピードはテストの問題を解くときにもメリットがあります。問題文もまた文字で書かれたものです。
特に国語の場合などは、時間内に余裕をもって内容を理解することができるようになるでしょう。国語以外の教科でも問題文は文字で書かれていますね。また回答する際にも自分の考えをスピーディに整理することができます。
テストの成績というと勉強によって上がるのが当たり前のようですが、それ以上に「基本的な読解力」と「論理的な思考力」が重要であることが分かってきています。
テストで問われるような知識と関係のない「文章を正確に読むことができれば正答できる問題」を解いたとき、偏差値にほぼ比例するというデータがあります。
基本的な読解力が身に付いていなければ、長時間の勉強に取り組んでも内容の理解は難しい傾向があります。後半で紹介しているトレーニングは、このような学力の基礎を築き上げることも目的の一つです。
頭の回転スピードアップによって得られる効果はここに挙げたものだけではありません。読解、計算、言語運用などの能力は繋がっているため、同時に高めることができます。
頭の回転を速くすること。そして、テスト勉強をスムーズに行う脳機能を手に入れること。これらは正しい方法でトレーニングをすれば簡単に実現できます。
テスト勉強に使える頭の回転が速くなる方法!
前章までは頭の回転や学力についての説明を中心としました。本章ではテスト勉強に使える「頭の回転が速くなる」具体的な方法を解説していきます。
お薦めする方法は2つです。
①文章を早口で読み上げる「高速音読」を行う
②3倍、4倍速の音声を聴く「速聴」を行う
どちらも言葉を使う方法です。
言葉による情報処理のスピードが上がれば、それだけ脳の処理スピードが上がります。つまり頭の回転が速くなるということです。
2つの方法はいずれも「速読」=文章を速く読んで理解するトレーニングとしても使えます。
これらの方法だけで天才的な発想力や膨大な知識が身につくとは思いません。しかし、シンプルな方法でありながらしっかりとした効果があり、テスト勉強にも有益です。
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
①文章を早口で読み上げる「高速音読」を行う
「高速音読」は、文章を音読しそのスピードを速くしていく方法です。自分が声に出して読むスピードを上げていきます。
自分が声に出して読むことができる、最高のスピードで読むことを継続します。はっきり読もうとすると難しいので、ぶつぶつとつぶやくように読むので良いでしょう。同じテキストを何度も読むので構いません。
始めのうちは速く読めませんが、続けるうちに音読できるスピードが上がっていきます。最終的には声に出して読めるスピードを超えるところまで続けましょう。
この方法の良いところは、自分の体をでスピードがはっきりと体感できるとろこです。
脳は繰り返し刺激が与えられることで新しい神経ネットワークを作り、学習を進めていきます。ハイスピードでの音読を行うことで、脳内では言語を高速で処理するというプレッシャーがかけられています。
高速音読を継続することで、脳内にはスピーディに情報処理を行うための回路が組み上げられます。
②3倍、4倍速の音声を聴く「速聴」を行う
頭の回転を速くする方法の2つ目は「速聴」です。速聴とは高速音声を聴くことで頭の回転スピードを上げるものです。音声を聴くだけでも効果がありますが、テキストを目で追いながら聴くことで脳はさらに活性化します。
速聴は2倍速~10倍速まで様々なスピード設定があります。基本的には3倍速や4倍速のものを使うといいでしょう。
3倍速が聴きとりにくい場合は2倍速から始めるのもいいでしょう。物足りない場合は10倍速を取り入れるなど、自分が取り組みやすいスピードのものを選んでみて下しさい。
始めのうちは3倍速の音声でも聞き取ることが難しいと思います。音声だけで行うと特に難しいですから、高速音声に合わせて文章を目で追いましょう。
速聴を続けるうちに自然と3倍速や4倍速もクリアに聴こえて、内容が理解できるようになります。
もともと理解ができなかったスピードで音声の内容が理解できるようになるということは、脳の処理スピードが上がっています。つまり速聴によって頭の回転が速くなるのです。
速聴も早読みの場合と同じように、脳の神経回路のネットワークが関わっています。高速音声を聴くということは、五感を通して脳内に情報が送られている状態です。脳がハイスピードで情報を理解するための回路を勝手に作ってくれます。
高速音読とは違い、速聴は自分だけで行うことができません。速聴を行うための音声が必要です。
YouTubeやその他インターネット上でも3倍速や4倍速の音声が公開されています。またCD付の書籍では速聴の理論を理解しながら、トレーニングもあわせて行うことができるでしょう。
以上が頭の回転が速くなる2つの方法です。2つともシンプルな方法でありながら、実践するとしっかりと効果があります。
2倍速の音声を聴きながらシャドーイング(聴こえてくる音声を同時にリピートする学習法)を行うなども有効なトレーニングです。
どれか1つでも効果はありますが、組み合わせて使うことで脳機能の向上がより実感しやすくなるでしょう。
勉強するときはより速く文章を読んで理解し、テストで問題を解くときは時間内により速く回答ができるようになるはずです!
頭の回転を速くするトレーニングを通じて感じてほしいこと
本稿のテーマは頭の回転が速くなることでしたから、その方法をご紹介しました。ですが皆さんに本当に知って頂きたいことはその先です。
上記のトレーニングの実践を通じて感じてほしいこと。それは、様々な面で自分が作っているリミッターは実は簡単に外すことができるということです。
これまで「できない」と思っていたことも、方法次第で「できる」可能性は無限にあります。頭の回転という一見変えられないように思える働きも、「早読み」「速聴」というシンプルな方法で変えることができます。
始めに挙げた頭の良さについての様々な要素を覚えていますか?
記憶力、思考力、創造力など、勉強に関する面だけでも多岐に渡ります。
実際には勉強の他にも様々な分野がありますよね。スポーツ、音楽、美術。モノづくりにコミュニケーションにビジネス。
あらゆる分野について、自分次第で能力を高めて活躍していく可能性を、人間は秘めています。そのことを感じて頂ければ幸いです。
まとめ
●頭の回転はトレーニングで簡単に速くなる
●頭の回転を速くするトレーニング
①「高速音読」=文章を速く早口で読み上げる
②「速聴」=3倍速、4倍速の高速音声を聴く
●あることが方法次第で能力が高まる=あらゆる分野で成長する可能性がある!