本稿では、テスト勉強に活かせる「頭がよくなる習慣」について解説しています。
学校のテストの点数は頭の良さとはイコールではありません。しかし、頭が良ければテストの点数を上げることは容易になります。基本的な学習能力が身に付けられていないと、いざテスト勉強に取り組んでも成績が上がりにくいと考えられるです。
本記事で解説している内容を押さえておけば各教科のテスト勉強を行うための土台を作ることができるでしょう。またテストの点数が上がるのみに留まらず、知性を高めておくことは人生を豊かにすることにも繋がります。
「テスト勉強」と「頭のよさ」について
本章ではまず「『頭がいい』とはどういうことか?」ということを整理しておきましょう。頭がよくなるといっても、それが何を意味するのかを理解しなければ方法も分かりません。
またテスト勉強そのものについても考えていきます。「テストで測られている能力は何なのか?」「どのように勉強を行えばいいのか?」などのことを整理しておきましょう。
先にポイントをまとめておきましょう。
Point
・「頭がいい」とは目の前にない物事をリアルにイメージして操作できること
・頭のよさはトレーニングによっていくらでも上げることができる
・テストで問われる能力は頭のよさとはあまり関係がない
それでは具体的な内容をみていきましょう。
「頭がいい」とは何か?
「頭がいい」とは普段から何となく使われている言葉ですが、どのような状態を意味しているのでしょうか?
本稿で考える「頭がよさ」は「抽象的な想像の世界をリアルにイメージして思考し、操作できる能力」です。抽象思考の能力と言ってもいいでしょう。
現実に目の前にある物だけでなく、頭の中で思い描いた言葉やイメージを思い通りに扱うことができるとうことです。言葉や数式で書かれたことがクリアに理解できて、また操作できることなどがこれに当たります。
簡単な言い方をすれば「問題解決能力が高いこと」です。物事を整然と整理して、解答へと至る道筋を発見することができる能力です。
「テストの点数が高いこと」と「頭が良いこと」。始めにも書いたようにこれらはイコールで結べるものではありません。
学校の勉強ができる人でも、クリエイティブな発想は苦手なこともあります。反対にテストの点数は低くても問題解決能力に長けている人も多くいます。
次に、学校のテストについて考えてみることにします。
学校のテストの点数で測れること
「読み・書き・計算」や理科、社会などの各教科の基本的な知識。これらを学校に通わずに学ぶことは不可能ではありませんが、難しいことではあるでしょう。
脳は繰り返し刺激が与えられることで新しい神経ネットワークを作り、機能を高めていく性質があります。国語、数学、理科、社会を中心として知識を深め考えることは、頭を鍛える上で一定の役割を果たしていると言えるでしょう。
一方で、学校での勉強に改善の余地がないとは言えません。
日本の学校で実施されているテストは、決められた科目の中での暗記問題がほとんどであるのが現状です。学校や教科によって差はあるものの、基本的には覚えた知識を答える形式が多いでしょう。
テストは正解が一つに決まる問題に正しく答える。
言い換えれば、出題者の言うことを忠実に聞く人間ほどテストの点数が高くなるとも言えます。もちろん知識が豊富なのはとても大切なことですし、わざと問題を間違える必要もありません。
大切なことは学校のペーパーテストの点数に囚われない方がいいということです。
頭がいい人は目の前にない空間でリアルに想像することができますから、テストという枠から離れた発想ができても不思議ではありません。あるいはテスト問題の内容に疑問を持ち、より良い試験のあり方へと考えが至ることもあるでしょう。
しかし以上のような柔軟な発想は定期テストや受験においては評価されません。あくまで問題で指定された通りの答えをしない限り、テストでは減点とみなされます。
このように、学校でのテストや受験でのスコアが頭のよさに繋がると考えることは難しいでしょう。
テストの点数が高ければ頭がいいというわけではない。
しかし逆向きのことは言えます。頭がよければテストの点数は上がりやすくなると考えられるのです。
もちろん勉強時間があまりにも少ないとテストも解けませんが、それでも物事をより速く理解することができるでしょう。
また脳機能が高められれば、特定の科目だけでなく広い分野で学習に効果があります。知識を組み合わせて考えたり、物事の本質をとらえて理解したりできるからです。
「テスト勉強」と「頭のよさ」の関係については以上です。
テストの点数だけを求める勉強はお薦めしませんが、点数を上げておいてデメリットはないでしょう。進路選択の幅を広げてくれる可能性もあります。
「テストが唯一正しい指標とは言えない」という前提のもと、自分に必要なスコアが取れるよう上手く付き合のがいいかと思います。
それでは次章で頭が良くなる習慣を見ていきましょう。
テスト勉強に活かせる習慣とは?
頭がよくなり、テスト勉強にも役立つ習慣。それは「読書」です。
習慣的に本を読むこと。目新しいものではないため肩透かしのように感じられるかもしれませんが、非常に大切です。
Point・読書離れとは言われるが、文字には慣れ親しんでいる
・「3ヵ月ルール」で脳が目覚める
それでは詳しく考えてみましょう。
読書がテスト勉強につながる?
読書をすれば、頭がよくなる。テスト勉強もすらすら進むようになる。
「読書が大事」ということはよく耳にすることではありますが、一方で読書離れが進んでいるとも言われています。
読書習慣がない人は、文字で書かれた内容を理解することじたいを難しく感じる場合もあるようです。文章を読んで内容を理解する力はある程度の訓練をしなければできません。
訓練と言っても繰り返し文章を読むだけです。あまり本を読んでいない方は始めこそ難しく感じられますが、続けているうちに慣れてきます。
現代ではLINEやTwitterなどSNS上のやり取りで、自然と文字を使っています。最低限の文字への慣れはクリアできていると思っていいでしょう。
読む本は勉強に関係するものを選ぶ必要はありません。自分が面白いと感じられるような本を、どんどん読んでいきましょう。
恋愛小説やSF小説でもいいですし、最近人気のラノベ(ライトノベル)などでも構いません。とにかく文字に慣れることが大切です。
「3ヵ月ルール」で読書ができるようになる!
「頭が良くなるように、頑張るぞ!」と気を張らずにリラックスして作品の世界を味わってください。
文字で書かれた世界に慣れ親しむだけで、脳の理解力や思考力を司る部分がどんどん活性化します。面白い本を探してその世界を楽しみましょう。
読書から長い期間離れている方は、内容が頭に入ってくるまでに時間がかかるかもしれません。
人の脳が大きく変わるのに「3カ月ルール」というものがあります。3カ月続けると、脳内に新しいネットワークができて、一気にレベルアップする瞬間が訪れます。
恐らく3カ月続ける前に徐々に慣れると思いますが、一つの目安にしてみてください。
なぜ読書がテスト勉強に有効なのか?
前章では、読書を習慣的に行えば、テスト勉強に良い影響があることを確認しました。
しかし、なぜ勉強と関係のない本を読んで勉強ができるようになるのでしょうか?このことは始めに「テストの点数」と「頭のよさ」を分けて考えたことに関係します。
本を読むことは「頭がよくなる」ことに繋がります。読書で期待できる効果について詳しく見てみましょう。
Point・文字で書かれた内容がリアルに体感することで脳が鍛えられる
・文字情報を理解することが勉強の基本
読書をすることで鍛えられる脳機能について学んでみましょう。
読書のポイント①文字空間のリアリティ
「頭のよさ」は、抽象的な想像の世界をリアルにイメージし、操作できる能力でした。読書はこのような脳機能を高めるために最高のトレーニングになるのです。
本を開いたときに目の前にあるのは、紙に印刷された線の集まりです。そんな文字を読むことで、人間は「壮大なファンタジー」や「感動的なドラマ」を感じ取ることができます。
現実には起きていない世界を文字を通してリアルに感じる読書体験が、そのまま頭の良さに繋がります。
情報を得るだけならテレビやYouTubeでもいいのでは?と思われるかもしれません。
動物もテレビなどの映像に反応することがあります。ビジュアル化された情報は臨場感が強く分かりやすいですが、脳機能を鍛えることには繋がりません。
活字であれば、映像と同じ内容を理解するにも自然と脳が刺激されるのです。
読書量とIQは比例すると言われています。
読書によって抽象思考の力が日常的に鍛えられていれば、学校のテスト勉強や受験勉強が理解しやすくなるのは自然なことです。
読書のポイント②人間の学びは文字
学校の勉強は基本的に文字で学びます。教科書の内容が全てイラストや記号で書かれていることはありませんよね?
数学も理科も社会も、教科は全て文字を通じて勉強します。それどころか、学校の学び以外も文字で書かれた情報を読み取ることで学びます。
何かを学びたい時に最も優れた情報源は本。
YouTubeなどにも優れたコンテンツがありますが、大量に良質な情報を得るための方法は今のところ読書がベストです。
また法律や契約書など、人の生活を大きく左右する物も文字で記述されているものです。勉強の基本が、文字で書かれた内容を理解することだと言えるでしょう。
文字で書かれたことをスムーズに理解するのに、読書という訓練が必要なのは先ほどにも書いた通りです。読書を習慣的に行うことで学力の土台となる部分がしっかりと鍛えられます。
終わりに
読書で頭が良くなり、勉強ができるようになる。これも読書の魅力的な効果の1つです。
しかし読書で得られるものはテスト勉強へのメリットだけではありません。
本には著者が経験したり、学んだりした大切なことが書かれています。物語にしても同じです。
著者が思い描いた現実には存在しない世界を、言葉を選んで表現豊かに書かれています。
自分が直接に体験できることは限られています。しかし本なら、何百年、何千年前から伝わるような人類の知的な遺産にアクセスすることができます。
歴史に名を刻む人物が考えたり、経験したりしたことを、言葉によって追体験することで、自らもより賢明な判断ができるようになるでしょう。
人間にとっての現実とは「脳が生み出している情報の世界」です。その意味では言葉という情報によって脳内に映し出される世界は、人間にとっては現実です。
小説を読んで感動し、涙を流すことなどは、脳(体)が文字空間を現実として体感している証拠でしょう。
読書は人生を充実させるものです。
まとめ
●「テストの点数が高い」と「頭がいい」は異なる
●頭のよさとは「目の前にない世界をリアルに体感したり操作したりする能力」
●頭が良くなる習慣は「読書」
●人間が勉強をするときには、文字情報を理解する能力が不可欠
●読書は人類が積み上げてきた英知にアクセスできる最高の学び