受験勉強の悩みやストレスを解消する「脳と心の使い方」とは?

2020年8月9日

本稿では、受験勉強の悩みやストレスを解消する脳の仕組みを活かした方法を解説しています。

受験勉強だけでなく広く人間の「悩み」「不安」に関係する内容です。高校受験であれ大学受験であれ「受験」と名のつくものにはストレスを感じやすいものです。

成績アップ、志望校合格にを重視しがちですが、体を犠牲にしては元も子もありません。むしろ、健全な心身の状態を保つことでこそ受験勉強にも身が入ります。

脳科学、心理学の成果を活かした正しいメンタル理論を実践してみてください。

 

受験勉強の悩みやストレスを解消するためには?

受験に関わる悩みストレスを解決するためにはどうすれば良いのでしょうか?

本章ではまずストレス解消の理論を確認しておき、具体的な方法論は次章で説明します。

 

「悩み」の正体を知っておこう

受験勉強におけるメンタルケアの方法を知る前に、まず人間の「悩みとは何か」を考えておきましょう。悩みというものの正体を知っておくことで、それを和らげる正しい方法が分かるようになります。

 

「悩み」とは何か?

人は人間関係の悩み、将来への悩み。いつの時代も悩みを抱えているように思えますが、悩みとは何なのでしょうか?

 

結論を言うと、悩みは幻想です。

悩みには実体はなく、人間の頭の中で生み出されているものです。それどころか、突き詰めれば私たちが体感している世界そのものが脳が生み出した世界です。

 

人間はありのままの世界を生きているのではなく、それぞれの心というフィルターを通して世界を感じ取っています。いま目の前にある物ですら本人にとっては心が映し出している像ですから、実体のない悩みや不安が幻想だということは当たり前のことでしょう。

 

「悩みを生み出しているのは自分の心」。

このように書くと「受験の悩みやストレスが自分のせいとうこと?」と思われるかもしれませんね。自分が生み出しているというのは、「~のせい」という非難する意味ではありません。

悩みに関する原因と結果の関係を正しく観つめてみようということです。物事の原因を正しく認識しすることができれば、問題の解決へと繋がります。

 

次に、受験勉強のストレスを軽減する方法を解説します。

 

受験ストレス解消法=「自己観察」

受験の悩みやストレスを解消する方法は、「今の自分に意識を向けること」=「自己観察」です。

 

人間の悩みは幻想だと先に書きましたが、それはいま目の前にある世界から離れた空想の世界です。こことは違うどこかを想像する力は人間の脳が手に入れた重要なものですが、それにとらわれるのは避けたいものです。

 

目の前の世界から離れた空想をオフにして、心を落ち着ける。その方法が今この瞬間に意識を向けることで、心がいったんニュートラルな状態になります。

このよな考え方をマインドフルネスという名前でご存知の方も多いことでしょう。

 

今の自分に意識を向けることを習慣的に行っていると、ネガティブな考えにとらわれることがなくなってきます。

自分を見つめるといっても「体」であったり「心」であったり、様々な面があります。

自分のことは自分が一番分かっていると思いがちですが、そうとも言い切れません。冷静に自分自身を見つめることで、普段は気が付かないことが見えてくるものです。

 

自分を見つめる方法で最も基本的なものは「自分の体に意識を向ける」ことです。自分自身の体やその動作に意識を向けて観察しましょう。

そうすると「過去への後悔の気持ち」「未来への不安な気持ち」などから離れることができます。今この瞬間だけに意識をフォーカスすることです。

 

「動物」に学ぶ心のあり方

心と悩みの関係を知るために、動物の「猫(ねこ)」を例に考えてみましょう。

 

野良猫の生活を想像してみてください。

野良猫の場合は明日食べるものがある保証はありません。今日は生きられても明日は分からない。

また雨風をしのげる家もありません。雨の日も風の日も自分の体一つで生きていきます。いざというときに頼れる家族や友人もいないでしょう。

そんな野良猫を見ていると、私たちの生活よりもはるかに厳しい世界で生きているように感じられます。

 

では野良ネコがその過酷とも思える生活の中で、毎日ストレスに悩み不安を抱えているでしょうか?むしろ人間より遥かにのんびりとした様子で生きていますよね。

 

人間の方が「猫は気楽でいいなあ」なんて思うくらいです。事実として状況は人間よりネコの方が厳しいにもかかわらず、ネコは悩みません。

その理由は「猫はいまこの瞬間を生きていて、過去のことを後悔したり未来のことを思い悩んだりしない」からです。

 

悩みやストレスは自分の心が生み出しているということに気が付く。すると心の状態をコントロールして落ち着けることができるようになります。

今この瞬間に意識を向けることで、過去や未来への悩みから離れ、心が凪いでくる。これらを理解することが悩みや不安を解消する出発点です。

 

受験勉強のストレス解消の「実践ワーク」

ここからは受験勉強のストレスを解消する具体的なワーク(実践法)について説明します。基本は「今この瞬間に意識を向ける」でしたね。

 

実践ワークはこちらの3つです。

 ①呼吸に意識を向ける

 ②歩きながら足の裏の感覚に意識を向ける

 ③片足立ちをしながら体の感覚に意識を向ける

 

手軽に行えて効果が実感しやすいものを選びました。形は違いますが、どれも「今の自分を観察する」ことを行っています。

3つのワークを順番に見ていきましょう。

 

ワーク①「呼吸」に意識を向ける

先ほど紹介したマインドフルネスの実践としてもポピュラーな方法です。

「息を吐いている」や「息を吸っている」と、呼吸に意識を向けて観察します。背筋を伸ばして座る方法でも良いですし、隙間時間に行うのでも大丈夫です。

 

呼吸に意識を向けるときには、言葉にせずに意識する方法と「息を吐いている」「息を吸っている」と言葉にして実況中継する方法があります。

どちらでも構いませんが、始めは言葉にする方が意識を向けやすいでしょう。慣れてくると言葉の働きから離れ、今この瞬間を淡々と感じるようにします。

 

普段から気持ちを落ち着けるために「深呼吸をしましょう」などと言われますね。なぜ呼吸が大切なのでしょうか?

 

 

人間は常に呼吸していますが、普段はそれを意識していません。

食事は一日取らなくても生きることはできます。は気温にもよりますが、一日なら飲まなくても生きることは可能でしょう。

 

呼吸はどうでしょうか?一日どころか数分で生命に関わります。

 

つまり生きる上で極めて重要でありながら、普段意識していないのが「呼吸」です。呼吸を意識するだけでも気持ちが落ち着いてきます。

 

呼吸という無意識に行っている動作に意識を向けることで、受験の悩みや不安から離れることができます。「悩みは心が生み出した幻想」ということは、理屈を頭で分かっているだけでは十分ではありません。

呼吸を観察し、今ここに意識を向けることで、体感として掴むことが大切です。

 

ワーク②「歩行禅」

「歩行禅(ほこうぜん)」と呼ばれる方法です。

ただ歩くのではなく、足の裏の感覚など自分の体に意識を向けるようにします。歩くという動作があるので、座っている時よりも体に意識を向けやすく、取り組みやすい方法です。

 

足の裏で地面を踏みしめている感覚や、足の動き腕の動きなどに意識を向けます。「右足が下がっている」「右足のかかとが地面についている」と言葉にして実況中継する方法もおすすめです。

言葉にする場合は歩くスピードがかなりゆっくりになるので、自宅などで行うのが良いでしょう。慣れてくると、言葉にせずに五感で今この瞬間を感じるようにしましょう。

 

受験については頭で考えることに頼りがち。しかし、あれこれ考えるよりも体を動かす方が効果的なこともあります。

少し歩く時間を取ってみると気分が変わるでしょう。また、そのようなリラックスしている時間にこそ、人間がクリエイティブになる時間です。

 

ウォーキングを行うだけでも血行が良くなったり、脳が活性化するなどの効果が期待できます。歩行禅を取り入れることで心身ともにリフレッシュできるはずです。

 

ワーク③「片足立ち」

片足立ちをして自分の体の状態に意識を向けます。片足立ちでは両足立ちより体のバランスを保つことが難しくなります。

 

体のバランスを取るために、今この瞬間の体の状態を観察する必要性が高まります。その結果心身をコントロールする能力が磨かれていきます。

「今この瞬間に意識を向け、過去や未来のことについて心を悩ませることから離れる」というストレス解消法そのものですよね。

 

ヨーガにも片足立ちのポーズがあります。ポーズに込められた意味も心身の観察とコントロールにあるのではないでしょうか。

 

片足立ちに、難易度別にいくつかのレベルを設定してみました。

 Lv.1 片方の足を上げて片足立ちをする。手足は動かしても良い

 Lv.2 上げる足をもう一方の足の上につける。手は胸の前で合わせ動かさないようにする。

 Lv.3 Lv.1を目を瞑って行う

 Lv.4 Lv.2を目を瞑って行う

 

これらのレベルは分かりやすいように設定してもので、順番を気にする必要はありません。現在の自分のバランス感覚に合ったものを選んで行ってみてください。

また片足立ちは左右両方を行うようにしてください。右足だけで立ったら、今度は左足だけで立つようにします。

 

手足は動かせるほうが簡単ですし、目は開いているほうが簡単です。制限がかかるほうが片足立ちのバランスを保つのが難しくなります。

バランスを取るのが難しいということは、コントロールする必要性が生まれるということ。しっかりと今の体の状態をモニタリングする練習になります。

 

片足立ちを行うだけなら、勉強の合間でもそれほど時間は取りません。「自分を観察することで…」と頭で理解するのも大事ですが、実践して体で感じることで始めて効果が得られます。

理論と体感のバランスを取るようにしましょう。

 

終わりに

受験の目的は、自分が志望校に入学して充実した学生生活を送ること。

人生の充実のためにあるはずの受験というプロセスが、若い世代に大きな負担になっていることには問題があるでしょう。

 

ですが現在の受験に関わる環境を変えることより、自分が変わる方が遥かに簡単なことです。社会を変えるより自分が変わるほうが簡単です。

すべての場合において自分が折れるしかない、という意味ではありません。状況を冷静に観て、実行可能なベストな選択をするということです。

 

まとめ

●ストレスや悩みは自分の心が生み出していることを確認する

●今この瞬間に意識を向けると、過去や未来の不安や悩みから離れることができる

●実践ワーク

①呼吸に意識を向ける

②歩いているとき、足の裏の感覚に意識を向ける

③片足立ちをして、体の感覚に意識を向ける

●「理論」と「体感」のバランスが大切