テスト勉強を進める脳科学的な方法とは?

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本稿では、中学生、高校生がテストの勉強を進めるための脳科学的な方法を解説しています。

数学や英語などの個別の教科における勉強法も大切ですが、この記事での内容は教科に関わらず重要な本質的なものです。

成績が上がらなくて悩んでいる場合、その原因は「脳」の働きにあります。脳と言っても頭の良さではありません。

脳の仕組みを活かした方法で勉強しなければ、成績は元のままになってしまうのです。反対に脳のメカニズムを学んで活かせば、理想の自分に近づくことができるでしょう。

 

なぜテスト勉強は思うように進まないのか?

「勉強をして、テストでもっといい点が取りたい」

「受験に向けて、やる気を持って勉強に取り組みたい」

このように思ってはいるものの、なかなか実行に移せない。「勉強しないと…」と思いながらも手が付かず、返ってくる結果はこれまでと変わらず…。

皆さんにもこのような経験があるかもしれません。

 

テスト勉強が進まないのは「脳の働き」

「変わりたい」と思いながらも結局は元通りの自分になる、というのは多くの方が実感することでしょう。

変わりたいのに変われない。実はこの裏にあるのは脳の働きです。

脳の働きと言っても、いわゆる頭のよさのような話ではありあせん。私たちの行動パターンに関係しているものです。

 

テスト勉強に関わる脳の働きとは「ホメオスタシス」です。

ホメオスタシスは日本語で「恒常性維持機能こうじょうせいいじきのう」と呼ばれているものです。これは簡単に言うと現状維持しようとする脳(心)の働きです。

本人が「変わりたい!」と思っていても、無意識は「変わりたくない!」と現状を維持しようと働きます。脳が元の状態を維持する働きに、本人は気が付きません。

 

ホメオスタシスはもともと体の働きについて使われてきた言葉です。

例えば気温が高い日には体は汗をかいて体温を下げようとします。これは体の状態を一定に保つための働きです。

この例からも分かる通り、ホメオスタシスの働きは無意識に勝手に起こることです。

 

勉強を頑張ろうとすると無意識が抵抗する!

人間の心は大きく分けて意識無意識という2つの領域りょういきがあります。本記事では分かりやすく、意識と無意識の働きを以下のように分類します。

 

 意識:本人が気が付いている活動

 無意識:本人が気が付いていない活動

 

例えばいま皆さんは心臓を意識して動かしているわけではないと思います。しかし心臓の鼓動は脳の指令によるものです。

では呼吸はどうでしょうか?おそらく呼吸をしていることを意識はしていなかったと思います。

ですが、いま文章で読むと呼吸に気が付くので、意識の上での活動となります。

 

呼吸の例からも分かる通り、意識と無意識は固定されているわけではなく、その都度入れ替わると考えます。

重要なことは、私たちの生活の中には意外と無意識の活動が多いということです。毎日の通勤・通学は、一つ一つ考えなくても同じルートを自動的に通っていることでしょう。

 

テスト勉強を思い通りに進めるためには、人間の活動に深く関係している無意識の働きに気を付けなければなりません。

 

ホメオスタシスをテスト勉強に活かすためには?

心のホメオスタシスも無意識の働きで、本人も気が付かないうちに脳が働き、現状を維持しようとします。

 

ホメオスタシスはテスト勉強を邪魔するように思えますが、なぜそのような機能が脳に備わっているのでしょうか?

実は、ホメオスタシスは生物が生き延びるために身につけたものです。昨日まで生きられた世界を今日も維持し、明日も維持する。

過去に生きることに成功した環境を維持することが生存に有利だったのでしょう。生存に適していたからこそ、現在までその機能が残ってきたと考えられます。

現状維持の働きが生存のために不利であった場合、現在まで共通する性質として残っているはずがありません。

 

本人の意識としては「テストの点数を上げたい!」と思っていても、自分自身の無意識が変化しないようにと抵抗する。生存を目的とした機能ですから、ホメオスタシスの働きは強力です。

本人にその自覚があるか否かは関係がありません。脳や心の仕組みは自覚の有無に関わらず働くからです。

テスト勉強への行動を引き起こし、これまでの成績とは違う成果を得るためには、脳のメカニズムに合った方法を実践することです。

 

テスト勉強が進む脳科学的な方法!

人間は脳のホメオスタシスと呼ばれる、現状を維持する働きがあり、成績を上げたいと思っていても、無意識に元の状態を維持してしまう。前章では以上のことを確認してきました。

 

本章では無意識が維持しているサイクルから抜け出し、テスト勉強を進めるための脳科学的な方法論を見ていきましょう。

 

Point

・脳は自己イメージ通りの自分を自動的に維持する

・自己イメージを高めれば、体は自然とテスト勉強に向かう

・ポジティブな言葉によってイメージを引き起こし、勉強に向けたエネルギーを引き出す

それでは、脳のメカニズムを活かす勉強法を見ていきましょう。

 

なぜ自己イメージを変えるとテストの成績が上がるのか?

自己イメージとは、「自分はどのよう人間なのか」ということに対する自己評価のことを意味します。

テストの成績は、現在の自分のイメージに合わせたものになります。

なぜかと言うと、人は無意識に自己イメージに合わせた自分になるからです。

 

これは前章でご説明したホメオスタシスの働きです。

ホメオスタシスが維持するのは、「今この瞬間の現実」とは違います。

自分の頭の中にある「あるべき心地よい自分の姿」に留まろうとするのです。

 

暑い日に汗をかくという体の働きにしても、「あるべき体の状態」を維持しようとしています。

ホメオスタシスが働くとき、「暑いから頑張って汗をかこう」などという感覚はありません。

体の反応として自然に起こること。

ホメオスタシスの働きに努力はいらないのです。

 

学校の成績についても全く同じことが言えます。

自己イメージ通りの点数を取るときには、努力という感覚はなく、ホメオスタシスが自動的に働きます。

点数に対するイメージが低ければ低い点数を維持し、高ければ高い点数を維持します。

 

脳にとっては点数の良い悪いではなく、あくまで現状=自己イメージを保つことを優先します。

それが、過去から今まで生きられてきた状態を維持することに繋がるからです。

だからこそ、「点数を上げたい」と思っていても、無意識は「今の点数が自分に相応しい」と感じて変化を避けようとします。

 

「自分は60点が相応しい」という自己イメージを持っている学生が、たまたま80点を取ったとしましょう。

本人としては嬉しいことのようで、無意識「やばい!」と感じています。

自己イメージに合った点数から外れていることに違和感を感じ、次回のテストではちゃんと点数を落とします

 

「脳がわざと点数を下げるなんて?」と思われるかもしれません。

しかし、このような仕組みに基づく行動は日常の中にも見つけられます。

本当にテストの点数を上げたいと思っているのに、なぜ漫画を読んだり、突然掃除を始めたりするのでしょうか?

勉強を避けるような行動を取るのは、脳は「本当は勉強をしたくない」と感じ、体に指令を出しているから。

 

本当にしたいことは、他のことに気を取られることもなく自然と取り組むことができます。

漫画を読んだりゲームをしたりということは、「頑張らないと」と思わなくても自然とできることですよね。

「私はテストの点数が高くて当然」という風に自己イメージを上げれば、ホメオスタシスがそのイメージに向けて自動的に働きます。

この仕組みを使えば、暑い日に体が汗をかくように、自然とイメージした方へと体が動きます。

 

自己イメージを上げる方法!

自己イメージを上げれば成績が上がる。

そこで皆さんが気になるのは「どうすれば自己イメージが上げられるのか?」ということでしょう。

 

方法は様々ですが、すぐに実践できるのは「口ぐせ」を変えることです。

言葉を使った方法と言うことになりますね。

自己イメージは自分が使う言葉によって作られる面が大きいからです。

 

自分が日々使っている言葉を観察してみましょう。

始めからコントロールできなくてもOKです。

ネガティブな言葉を減らしていき、ポジティブな言葉を増やしていきます。

慣れてくると、もっと良い言葉はないか?と吟味するようになります。

 

言葉を変えると自己イメージが変わり、イメージに相応しい行動が取られます。

つまり、良い成績を取るのに相応しい勉強という行動が自然に促され、成績が上がることになります。

 

「言葉を変えるだけで成績が上がる」と言われると、さすがに信じがたいかもしれません。

しかし、人間は言葉から大きな影響を受ける生き物です。

小説を読んで感動して涙を流すことは、紙の上に印刷された線の集まりから、現実と同じようなリアリティを感じている証拠。

また、他人からの言葉で気分が良くも悪くもなります。

本人に自覚があってもなくても、現実に私たちは言葉から影響を受けながら生きています。

 

であれば、自分にとってプラスの言葉だけを使えばいいですよね?

コントロールするのは他人の言葉ではなく自分の言葉です。

自分が使う言葉は自分の意志で選べるものです。

 

成績を上げるための言葉であれば、このようになるでしょう。

 

「私は成績が良い!」

「私は全教科100点だ!」

 

頭の中で唱えても、声に出しても構いません。

目標のイメージを引き出す言葉は、周囲に知られないよう基本的に秘密にしておきます。

今の自分とかけ離れたような理想を描く方が効果的です。

現状とイメージとのギャップが大きければ大きいほど、行動を引き起こすための強いエネルギーが生まれます。

自己イメージの高さがモチベーションの高さだと思っていいでしょう。

 

この時のポイントはすでに達成している内容の言葉を使うこと。

現実世界では起きていないことなのに、言葉では理想の自分を先取りしている。

そうするとホメオスタシスが言葉によって描き出されたイメージに向けて働きます。

つまり、成績が上がった自分を「あるべき現状」として自動的に実現してくれるということです。

 

参考:受験勉強でやる気を引き出す勉強のやり方はこれ!

参考:受験勉強でやる気を引き出し成績改造するのに必要な「エフィカシー」とは?

 

まとめ

●「テストの点数を上げたい」と思っていてもホメオスタシスが現状を維持する

●脳が維持するのは自己イメージ通りの世界

●自己イメージを上げると、脳が自己イメージに相応しい点数を取るために働く

●自己イメージを上げる方法の一つはポジティブな口ぐせを習慣化すること

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